ShinXiaシンポジウム2025
令和7年11月17日、信州大学、長野大学、佐久大学の3大学による、SPARCの成果中間報告を兼ねた地域活性化人材育成事業~SPARC~「しあわせ信州」を創造する地域活性化高度人材育成プログラム「ShinXiaシンポジウム2025」が、松本市内のホテルとオンライン、アーカイブ配信で開催されました。

シンポジウムは、「オンデマンド授業で目指す文理横断型授業と地域活性化人材の育成」と題して、事業紹介、京都大学准教授田口真奈氏による基調講演、中央大学特任助教澁川幸加氏の特別講演、さらに、受講学生も加わり、オンデマンド授業が学修者本位の学びとなっているかについてクロストーク形式で議論を深めました。
◇主催者挨拶 中村 宗一郎 信州大学長

◇来賓挨拶 文部科学省 高等教育局 大学振興課長 石橋 晶 氏
(代読) 文部科学省 高等教育局 大学振興課 地域大学振興室 室長補佐 畑 盛斗氏

◇事業紹介 信州大学 副学長 林 靖人

◇招待講演 京都大学大学院 教育学研究科 准教授 田口 真奈 氏
高等教育におけるオンデマンド授業の可能性と課題
ー対面授業との違いを踏まえた学びのデザインー

基調講演では、オンデマンド授業の本質を「学び続けられる構造の設計」にあると示されました。動画や教材を用意するだけでは学びは続かず、動機づけ、実践、振り返りが循環する“学びのサイクル”をいかに回すかが鍵となります。
オンデマンドは「受け身」にも「主体的」にもなり得ます。その分かれ目は設計次第であり、学修者の変容を生む導線と関係性をどうつくるかが、これからの高等教育に問われています。
「オンデマンドは、単なる“便利な配信” ではありません。
学修者が“自分で学びを組み立てる” ことを前提とした、新しい学びの形です。」
◇特別講演 中央大学 文学部 特任助教 澁川 幸加 氏
学習者の主体性を育むオンデマンド授業
ー学習の質向上や大学間連携の活性化に関するティップスー

特別講演では、オンデマンド授業を「一人で学びきれる学習材」として設計する重要性が示されました。目標・内容・評価の整合性を高め、学びが“作業”に陥らない導線をつくることが、学習の質を左右する。さらに、掲示板でのピアレビューや部分的な同期セッションなど、相互作用を意図的に組み込むことで、学びは「ひとり」から「ともに」へと広がる。
大学間連携だからこそ生まれる多様な背景の“違い”を資源に変える視点は、ShinXiaの実践を次の段階へと導く示唆となりました。
「主体性は、“やる気” の問題ではありません。環境と設計によって、誰もが
発揮できるものです。」
◇クロストーク
ShinXia科目(オンデマンド)は学修者本位の学びになっているか
ー科目提供者側と学修者との出会い・交わり(クロストーク)を通じてー
登壇者: 田口 真奈氏、澁川 幸加 氏
教員 信州大学 教授 小山 茂喜、佐久大学 教授 狩野 徹
学生 SPARC ShinXia受講学生から4名
信州大学経法学部応用経済学科 1年生
信州大学工学部 電子情報システム工学科 2年生
長野大学社会福祉学部社会福祉学科 1年生
長野大学社会福祉学部社会福祉学科 1年生
モデレーター: 長野大学 特任教授 宮本 秀樹

田口真奈氏、澁川幸加氏、そして信州大学・長野大学・佐久大学の教員・学生が登壇し、ShinXia科目の実践を振り返りました。
学生の声:「空き時間に動画を見て課題を終わらせるなど、自分で時間を管理する力がついたと思います。」
教員の声:「オンデマンドにしたことで、授業はむしろ“コンパクトで本質的” になった。教員側も、何を伝えるかを強く問われています。」
学生の声:「友達と一緒に動画を見ながら “ここどういう意味?” って相談できるのは、オンデマンドならでは。」
教員の声:「異なる大学・専門の学生が同じ授業を受けることで、それぞれの視点の違いが学びを豊かにしていると感じています。」
クロストークからは、オンデマンドが“孤独な学び”に留まるか、“ともに学ぶ学習材”になるかは設計次第ということが見えてきました。協働の余白、対話のきっかけ、次の行動へと促す導線を組み込むことで、学びが関係性の中で深まっていきます。ShinXiaの実践は、オンデマンドが「越境する学び」を生み出す基盤になり得ることを、確かに示しています。
シンポジウム全体を通じて浮かび上がったのは、オンデマンド授業が単なる“効率化”の手段ではなく、学びの在り方そのものを問い直す装置になり得るという可能性です。
大学の枠を越え、地域と結びつき、学修者一人ひとりが「自分の学び」を組み立てていく。
そのプロセスを支えるのは、技術だけではなく、教員同士、大学同士が“ともに考え続ける”文化です。
ShinXiaは、まさにその文化を育てる実験の場であり続けています。
高等教育が変わりゆく時代において、ShinXiaの取り組みは、「学び」と「地域」の新しい関係を描き出しています。
この日交わされた言葉と問いは、次の実践へ、確実につながっていきます。
◇総括 長野大学 学長 小林淳一

◇閉会挨拶 佐久大学 学長 坂江千寿子










